投資と​税金の​基本を知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約10分
  • 最終確認日 2026年10月12日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 株式や​投資信託の​利益に​かかる​税金の​種類と、​2026年10月時点の​税率を​説明できる
  • 特定口座と​一般口座の​ちがい、​確定申告が​必要に​なる​場面を​説明できる
  • 損益通算と​繰越控除の​あらましと、​税の​相談先を知る

先に読むとよいレッスン:株式・債券・投資信託を比べる

例の​数字は、​ことわりの​ない​限り、​説明の​ために​作った​ものです。​実際の​値動きや、​実在の​商品の​数字では​ありません。

目次

利益に​かかる​税金を知る

上場株式などの​売却益には、​所得税、​復興特別所得税、​住民税が​かかります。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

日本証券業協会(出典「株式投資にかかる税金って?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)の​解説では、​株式投資の​利益は、​会社から​分配される​配当金と、​株式を​売却した​ときの​譲渡益​(売却益)の​二つです。​国税庁(出典「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」を別のタブで開きます)に​よると、​株式等の​譲渡に​よる​所得は、​他の​所得と​区分して​税額を​計算するで、​売却した​ときの​金額​(譲渡価額)から​取得費と​委託手数料等を​引いた​額が、​譲渡所得等の​金額に​なります。

国税庁の​タックスアンサー​(令和8年4月1日時点の​法令等に​基づく)に​よると、​上場株式等の​譲渡益の​税率は​20%​(15%、5%)です。​上場株式等には、​金融商品取引所に​上場されている​株式等​(いわゆるを​含む)や、​公募投資信託​(多数の​投資家に​向けた​投資信託。​資産運用業協会(出典「制度上の種類」を別のタブで開きます)の​説明。​一部を​除く)の​受益権などが​あります。​このほかに、​所得税の​額を​もとに​計算するが​併せて​納付されます。

例1:10万円で​買った​株式を​12万円で​売った場合

10万円で​買った​上場株式を​12万円で​売り、​売買の​手数料は​考えません。​税額は、​所得税及び復興特別所得税を​15.315%、​住民税を​5%とした​目安で、​端数の​処理は​考えません。

  1. 譲渡益は、​12万円 − 10万円 = 2万円です。
  2. 所得税及び復興特別所得税は、​2万円 × 15.315% = 3,063⁠円です。
  3. 住民税は、​2万円 × 5% = 1,000円で、​合計は​4,063⁠円です。

2万円の​譲渡益に、​合計で​約4,063円の​税金が​かかる​計算です。

やさしく​言うと、​売って​得た​差額には、​国に​納める​税金と、​住んでいる​地域に​納める​税金が​かかります。

要点

上場株式等の​譲渡益は、​他の​所得と​分けて​計算する​申告分離課税で、​税率は​20%に​復興特別所得税が​加わります。

配当と​分配金の​税金を知る

配当や​分配金は、​受け取る​ときに​税金が​あらかじめ差し引かれるのが​基本です。

国税庁(この節の出典の一覧へ)に​よると、​上場株式等の​配当等​(保有割合が​大きい​大口株主等が​受ける​ものを​除く)は、​支払いの​ときに、​15.315%​(ほかに​地方税5%)の​税率で、​所得税及び復興特別所得税がされます。​配当等を​確定申告する​ときの​税率も、​申告分離課税を​選べば​20.315%​(所得税及び復興特別所得税15.315%、​地方税5%⁠)⁠です。

国税庁は、​公社債投資信託​(株式には​投資しないと​決められた​投資信託。​資産運用業協会(出典「制度上の種類」を別のタブで開きます)の​説明)など​以外の​投資信託の​収益の​分配に​係る​所得を、​配当所得と​しています。​一方、​所得税法は、​元本を​追加できる​型​(オープン型)の​証券投資信託の​収益の​分配の​うち、​元本の​払戻しに​相当する​部分と​してで​定める​ものには、​所得税を​課さないと​定めています。​日本証券業協会(出典「普通分配金と特別分配金の違いってなに?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)の​解説では、​運用益から​支払われて​課税される​分配金を、​元本の​払い​戻しと​みな​されて​非課税に​なる​分配金をと​呼びます。

やさしく​言うと、​配当や​分配金にも​約2割の​税金が​かかりますが、​元本の​払い​戻しに​あたる​部分は​課税されません。

要点

上場株式等の​配当は​源泉徴収されます。​投資信託の​分配金の​うち、​元本の​払い​戻しに​あたる​部分は​非課税です。

復興特別所得税の​期限を知る

2026年10月時点の​税率は​2.1%で、​2027年1月1日からは​内訳が​変わります。

復興特別所得税は、​東日本大震災からの​復興の​財源を​確保する​ための​税で、​所得税の​額に​税率を​かけて​計算し、​所得税と​併せて​納めます。​e-Govの​法令で​2026年10月時点で​施行されている​条文では、​税率は​2.1%、​課税される​期間は​2037年分までです。​国税庁(出典「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」を別のタブで開きます)の​タックスアンサーは、​改正後の​期間​(令和2​9年まで)で​書かれています。

財務省(この節の出典の一覧へ)に​よると、​令和8年度税制改正の​大綱​(政府の​税制改正の​方針を​まとめた​文書)は、​2025年12月26日に​内閣の​会議​(閣議)で​決定されました。​この大綱は、​所得税額に​対し税率1%のを​2027年1月から​課し、​復興特別所得税の​税率を​1%引き下げ、​課税期間を​令和2​9年​(2047年)までの​10年間延長すると​しています。

法律と​しては、​令和8年法律第12号​(所得税法等の​一部を​改正する​法律)が、​2026年3月31日に​成立・​公布されました。​e-Govの​法令検索では、​2027年1月1日から​施行される​条文で、​復興特別所得税の​税率は​1.1%、​期間は​2047年分まで、​防衛特別所得税は​2027年分以後の​所得税に​「当分の​間」、​税率1%で​課されると​定められ​ています。

所得税に​あわせて​納める​税の​比較​(e-Gov法令​検索による⁠)

時期復興特別所得税防衛特別所得税
2026年10月時点で施行中2.1%​(2037年分まで⁠)なし
2027年1月⁠1⁠日から1.1%​(2047年分まで⁠)1%​(​「当分の間⁠」⁠)

やさしく​言うと、​2027年1月から​内訳が​変わりますが、​上場株式等の​配当の​源泉徴収では、​合計の​税率は​変わらないと​国税庁が​説明しています。

要点

2026年10月時点の​復興特別所得税は​2.1%で、​2027年1月1日から​1.1%に​なり、​防衛特別所得税が​加わります。

口座の​種類を知る

証券口座には​一般口座と​特定口座が​あり、​特定口座は​源泉徴収の​有無を​選びます。

日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)の​解説では、は、​譲渡損益や​配当などの​計算と​納税の​手続きを、​すべて​投資家自身が​行う​口座です。は​納税の​負担を​軽く​する​ための​制度で、​証券会社などが​年間の​損益を​計算し、​「特定口座年間取引報告書」を​投資家と​税務署に​交付します。

口座ごとの​税金の​手続き​(日本証券業協会、​資産運用業協会、​国税庁の​説明による⁠)

口座損益の計算確定申告
一般口座自分で行う原則、​自分で行う
特定口座​(源泉徴収なし⁠)証券会社などが行う原則、​自分で行う
特定口座​(源泉徴収あり⁠)証券会社などが​行い、​税金も差し引く行わなくてもよい

国税庁(出典「No.1476 特定口座制度」を別のタブで開きます)に​よると、​特定口座は​1つの​金融商品取引業者等に​つき1口座で、​源泉徴収を​選ぶには、​その年の​最初の​譲渡の​ときまでに​届出書を​提出します。​選択は​年単位で、​年の​途中で​源泉徴収を​しない​形には​変えられません。​源泉徴収を​選ぶと、​譲渡益に​相当する​金額に​15.315%​(ほかに​住民税5%)を​かけた​所得税及び復興特別所得税が、​譲渡の​たびに​源泉徴収されます。

NISA口座は、​売却益や​配当・分配金が​非課税に​なる​口座で、​ここで​見た​口座とは​別の​ものです。​仕組みは、​あとの​レッスン​「NISAの​基本を​知る」で​扱います。

要点

一般口座は​自分で​計算と​申告を​します。​特定口座は​源泉徴収あり・なしを​選びます。

確認問題

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確定申告が​必要な​場合を知る

申告が​必要か​どうかは、​口座の​種類と、​ほかの​所得の​額で​決まります。

J-FLEC(出典「確定申告:かくていしんこく」を別のタブで開きます)の​用語集は、を、​1年間の​所得と​税額を​計算し、​申告期限までに​確定申告書を​提出して、​源泉徴収された​税金などとの​過不足を​精算する​手続と​説明しています。​国税庁(この節の出典の一覧へ)に​よると、​源泉徴収ありの​特定口座内の​上場株式等の​譲渡に​よる​所得は、​申告するか​申告不要と​するかを、​口座ごとに​選べます。​ただし、​他の​口座の​損益と​相殺する​場合や、​損益通算・繰越控除の​特例を​受ける​場合は、​確定申告が​必要です。

上場株式等の​配当等は、​大口株主等が​受ける​ものを​除き、​金額に​かかわらず​確定申告を​しない​ことを​選べます。​確定申告を​する​場合は、​申告する​配当等の​全額に​ついて、か​申告分離課税の​どちらかを​選び、​選んだ​方法は、​あとから​申告を​やり直しても​変更できないと、​国税庁は​説明しています。

給与所得者に​ついても、​国税庁は、​所得税の​確定申告が​必要な​場合を​挙げています。​給与を​1か​所から​受け、​その全部が​源泉徴収の​対象の​場合、​給与所得と​退職所得​(退職金などの​所得)​以外の​所得金額の​合計が​20万円を​超えると、​所得税の​確定申告が​必要です。​この合計には、​源泉徴収ありの​特定口座で​申告しない​ことを​選んだ​譲渡に​よる​所得や、​申告しない​ことを​選んだ​上​場株式等の​配当等は​含まれません。

やさしく​言うと、​源泉徴収ありの​特定口座で​申告しない​ことを​選べば​申告は​要りませんが、​損益通算や​繰越控除を​受ける​ときや、​ほかの​所得が​多い​ときは​申告が​必要です。

要点

源泉徴収ありの​特定口座は​申告しない​形を​選べます。​損益通算や​繰越控除を​受ける​ときは、​確定申告が​必要です。

損益通算と​繰越控除を知る

損失が​出た​ときは、​確定申告で​利益と​通算し、​翌年以降に​繰り越せる​場合が​あります。

日本証券業協会(出典「損益通算|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)の​解説では、は、​譲渡益などの​利益から、​譲渡損などの​損失を​差し引ける​制度です。​国税庁(この節の出典の一覧へ)に​よると、​上場株式等の​譲渡損失は、​確定申告を​すると、​その年の​上場株式等の​配当等​(申告分離課税を​選んだ​もの)と​損益通算​できます。

通算しても​引ききれない​損失は、​確定申告を​すると、​翌年以後​3年間、​上場株式等の​譲渡所得等や​配当所得等から​差し引けます​()。​損失を​繰り越すには、​上場株式等の​譲渡が​なかった​年も、​申告が​必要です。​上場株式等と、​一般株式等​(上場株式等以外の​株式等)は​別々の​申告分離課税で、​上場株式等の​譲渡損失を​一般株式等の​所得から​引く​ことは​できず、​一般株式等の​譲渡損失も、​原則と​して​上場株式等の​所得から​引けません。​NISA口座内の​損失は、​損益通算も​繰越控除も​できません。

例2:​二つの​口座の​損益を​通算する場合

A社の​特定口座​(源泉徴収なし)で​譲渡益が​10万円、​B社の​特定口座​(源泉徴収なし)で​譲渡損が​4万円出ました。​他の​所得や​手数料は​考えず、​税率は​20.315%とします。

  1. 確定申告で​通算すると、​譲渡益は 10万円 − 4万円 = 6万円です。
  2. 税額は、​6万円 × 20.315% = 1万2,189⁠円です。
  3. 通算しないと、​10万円 × 20.315% = 2万315円で、​差は​8,126⁠円です。

損失を​通算すると、​課税される​利益が​小さくなります。

個別の判断は窓口で

このレッスンは​制度の​説明で、​個々の​税額や​申告の​要否を​判断する​ものでは​ありません。​国税は​税務署や​税理士、​国税庁の​チャットボットや​タックスアンサーで、​住民税は​市区町村や​道府県税事務所で​相談できます。

要点

上場株式等の​譲渡損失は、​確定申告で​配当等と​通算でき、​引ききれない​分は​翌年以後​3年間繰り越せます。

確認問題

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理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 上場株式等の​譲渡益は、​他の​所得と​分けて​計算する​申告分離課税で、​所得税15%と​住民税5%に、​復興特別所得税が​加わります。
  • 上場株式等の​配当は​源泉徴収されます。​投資信託の​分配金の​うち、​元本の​払い​戻しに​あたる​部分は​非課税です。
  • 復興特別所得税は​2026年10月時点で​2.1%です。​2027年1月1日からは​1.1%に​なり、​防衛特別所得税が​加わります。
  • 源泉徴収ありの​特定口座は、​申告しない​形を​選べます。​損益通算や​繰越控除を​受ける​ときは、​確定申告が​必要です。
  • 上場株式等の​譲渡損失は、​確定申告で​配当等と​通算でき、​引ききれない​分は​翌年以後​3年間繰り越せます。

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出典と最終確認日

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このレッスンの​事実は 2026年10月12日 に​確認しました。

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