経済指標の​見方を知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月12日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • GDP、​消費者物価指数、​完全失業率、​政策金利が​何を​表し、​どの機関が​公表するかを言える
  • 前年同月比、​前期比、​季節調整値の​意味を、​数字の​例で​説明できる
  • 速報の​数字が​あとから​改定される​ことを​説明できる

先に読むとよいレッスン:投資とは何か

例の​数字は、​ことわりの​ない​限り、​説明の​ために​作った​ものです。​実際の​値動きや、​実在の​商品の​数字では​ありません。

目次

経済指標の​種類を知る

景気や​物価の​状態を、​統計の​数字で​表した​ものが​あります。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

日本銀行(この節の出典の一覧へ)は、​景気を​みる​ときの​判断材料と​して、​GDP​(国内総生産)​や​鉱工業生産統計​(工場などの​生産の​統計)などを、​物価を​みる​ときの​判断材料と​して、​消費者物価指数などの​物価指数を​使っていると​説明しています。​ここでは、​こうした​経済の​状態を​数字で​表した​統計を、と​呼びます。​指標ごとに、​公表する​機関も、​公表の​頻度も​違います。​たとえば​GDPの​速報は​四半期ごとに、​消費者物価指数は​毎月​公表されます。

このレッスンで​扱う​4つの​指標と公表元

指標何を表すか公表元
GDP​(国内総生産⁠)国内で​一定期間に​生み出された、​モノや​サービスの​価値​(付加価値⁠)⁠の合計内閣府
消費者物価指数家計が​買う​モノや​サービスの​価格の動き総務省統計局
完全失業率労働力人口に​占める、​完全失業者の割合総務省統計局
政策金利日本銀行が、​目標を​定めて​誘導する金利日本銀行

やさしく​言うと、​経済指標は​「景気や​物価、​働く​人の​状況などを、​公的な​機関が​数字に​まとめた​もの」で、​公表する​機関も​指標ごとに​違います。

要点

経済指標は、​景気や​物価などを​数字で​表した​統計です。​公表する​機関は、​指標ごとに​違います。

GDPが​表す数字を知る

GDPは、​国内で​生み出された​モノや​サービスの​付加価値の​合計です。

内閣府(この節の出典の一覧へ)は、​国民経済計算を、​国連の​定める​国際基準に​準拠し、​統計法に​基づいて​作成していると​説明しています。​国民経済計算は、​速報性を​重視して​年に​8回作成・公表する​「四半期別GDP速報」と、​年に​1回作成・公表する​「国民経済計算年次推計」の​2つから​なります。

内閣府の​よく​ある質問は、を、​国内で​一定期間内に​生産された​モノや​サービスの​付加価値​(生産の​過程で​新たに​加わった​価値)の​合計額と​説明しています。​国内の​数字なので、​日本企業が​海外支店などで​生産した​付加価値は​含まないと​しています。​また、​国内の​景気を​より​正確に​反映する​指標と​して、​GDPが​重視されていると​述べています。

GDPには、​実際に​市場で​取り​引きされている​価格に​基づくと、​物価の​上昇・下落分を​取り除いたが​あります。​内閣府は、​経済成長率を​見る​ときは、​物価変動の​影響を​取り除いた​実質値で​見ることが​多いと​説明しています。

やさしく​言うと、​GDPは​「ある​期間に​国内で​新しく​生み出された​価値の​合計」を、​一つの​数字に​した​ものです。

要点

GDPは、​国内で​一定期間に​生産された​モノや​サービスの​付加価値の​合計です。​物価の​影響を​取り除いた​実質値で​見ることが​多いと​説明され​ています。

確認問題

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物価と​雇用の​数字を知る

物価は​消費者物価指数で、​雇用は​完全失業率などで​表されます。

総務省統計局(この節の出典の一覧へ)は、​消費者物価指数を、​全国の​世帯が​購入する​家計に​係る​財や​サービスの​価格等を​総合した、​物価の​変動を​測る​ものとして、​毎月​作成していると​説明しています。​仕組みや、​前年からの​変化率の​計算は、​あとの​レッスン​「物価と​お金の​価値」で​扱います。​統計局は、​全国の​前月分の​指数を​原則と​して​毎月​19日を​含む週の​金曜日に、​東京都区部の​当月分の​指数の​中旬速報値を​原則と​して​毎月​26日を​含む週の​金曜日に​公表していると​説明しています。

労働力調査は、​全国約4万世帯を​対象に​毎月​行われている​調査です。​統計局は、​この調査で​明らかに​なる​完全失業率などが、​景気判断や​雇用対策の​基礎資料と​して​利用されていると​説明しています。は、​労働力人口​(就業者と​完全失業者の​合計)に​占める​完全失業者の​割合です。

完全失業者は、​仕事に​ついていない、​仕事が​あれば​すぐ​つくことができる、​仕事を​探す​活動を​していた、の​3つに​当ては​まる​人と​されています。​そのため、​仕事を​探す​活動を​していない​人は​含まれません。​統計局は、​そうした​人の​状況を、​詳細集計​(四半期ごとに​公表)で​把握できるように​していると​説明しています。

やさしく​言うと、​完全失業率は​「働いている​人と​仕事を​探している​人の​合計の​うち、​仕事を​探している​人の​割合」で、​職探しを​やめた​人は​数に​入りません。

要点

消費者物価指数は​物価の​動きを、​完全失業率は​労働力人口に​占める​完全失業者の​割合を​表します。​どちらも​総務省統計局が​公表しています。

政策金利と​決定会合を知る

日本銀行は、​短期の​金利を、​目標を​定めて​動かそうと​しています。

日本銀行(この節の出典の一覧へ)は、​中央銀行が​行う​通貨および金融の​調節をと​いい、​金利の​誘導等を​行っていると​説明しています。​2024年​(令和6年)​3月からは、を​無担保​コールレート​(オーバーナイト​物)としたうえで、​その誘導目標​(日本銀行が​目指す​金利の​水準)を​定めていると​説明しています。

無担保​コールレート​(オーバーナイト​物)は、​コール市場​(金融機関が​短期の​資金を​貸し借りする​市場)での​無担保の​資金貸借の​うち、​翌営業日を​返済期日と​する​ものに​かかる​金利です。​金融機関どうしの、​ごく​短い​期間の​貸し借りに​かかる​金利と​いえます。

金融政策を​審議・決定する​会合は、​金融政策決定会合です。​会合では、​金利の​誘導目標などが​審議・​決定されます。​日本銀行は、​年8回、​各会合とも​2日間開催し、​会合の​終了後、​直ちに​決定内容を​公表すると​説明しています。​政策変更が​ない​場合も、​その旨を​公表します。

やさしく​言うと、​政策金利は​「日本銀行が​目標を​定めて​動かそうと​する​金利」で、​決まった​方針は​決定会合の​あとに​公表されます。

要点

政策金利は、​日本銀行が​誘導目標を​定める​金利です。​決定会合は​年8回開かれ、​決定内容は​終了後に​公表されます。

変化の​読み方の​用語を知る

同じ数字でも、​何と​比べた​変化かで​意味が​違います。

指標の​変化は、​何と​比べるかで​呼び名が​変わります。​総務省統計局(この節の出典の一覧へ)は、を、​当月の​指数を​前年の​同じ月の​指数と​比べた​変化率と​説明しています。​直前の​期​(GDPなら前の​四半期)と​比べた​ものは、と​呼ばれます。​内閣府(出典「統計表一覧(2026年4-6月期2次速報値) : 経済社会総合研究所 - 内閣府」を別のタブで開きます)の​GDP速報の​統計表には、​前年の​同じ期と​比べた​ものと、​季節調整を​した​前期比が、​別々に​載っています。

統計局は、​月ごとの​統計には、​農業就業者が​春から​夏に​かけて​増え、​秋以降に​減るような、​季節的な​要因で​毎年​同じように​動く​もの​(季節変動)が​あると​説明しています。​ちょうど​1年前の​同じ月と​比べる​ときは​季節変動を​考える​必要が​ありませんが、​前月などと​比べる​ときは、​変化が​景気変動に​よるのか季節変動に​よるのか​分かりません。​この季節​変動を​取り除いた​数値が、です。

例1:12月に​売上が​増えるお店

あるお店は、​毎年​12月に​売上が​増えます。​前年12月の​売上は​100万円、​11月は​90万円、​今年12月は​108万円でした。

  1. 前月と​比べると、​90万円から​108万円で、​差の​18万円を​90万円で​割って、​20%の​増加です。
  2. 前年の​同じ月と​比べると、​100万円から​108万円で、​差の​8万円を​100万円で​割って、​8%の​増加です。

毎年​12月に​増える​お店なら、​前月と​比べた​20%には、​季節的な​増加が​含まれます。​同じ月どうしの​8%には、​その影響が​入りません。

やさしく​言うと、​前年同月比は​「去年の​同じ時期との​比べ方」、​前期比は​「ひとつ前の​期との​比べ方⁠」⁠です。

要点

前年同月比は​前年の​同じ月との​比較、​前期比は​直前の​期との​比較です。​季節変動を​取り除いた​数値が​季節調整値です。

速報と​改定の​しくみを知る

最初に​公表される​数字は、​あとから​新しい​資料で​改定されます。

内閣府(この節の出典の一覧へ)は、​国民経済計算の​公表時期を​できるだけ​早める​ため、​早期に​利用できる​基礎資料で​推計し、​より​精度の​高い​資料が​入手できたら​段階的に​推計値を​改定していくと​説明しています。​公表の​早い​ものから​順に、​次の​とおりです。

  1. 1次速報:GDPを​支出の​面から​見た​数字などを、​約1か月と​2週間程度​遅れで​公表します。
  2. 2次速報:1次速報の​1か​月後に、​新たに​利用できる​基礎資料で​改定します。
  3. 第一次年次推計​(旧称は​確報)​:毎年​12月頃に​公表し、​前年度と​その四半期の​速報を​改定します。
  4. 第二次年次推計​(旧称は​確々​報)​:第一次年次推計の​1年後に、​新しい​データで​改定します。
  5. 第三次年次推計:第二次年次推計の​1年後に、​財貨・サービスごとの​数字を​突き合わせて​調整します。

内閣府は、​約5年に​一度、​大幅な​改定​(基準改定)も​行うと​説明しています。​また、​季節調整は​直近の​値までを​対象に​毎回かけ直される​ため、​季節調整値は​過去に​さかの​ぼって​改定されます。​同じ期の​同じ指標でも、​公表の​時期に​よって​数字が​違うことが​あります。

やさしく​言うと、​最初の​数字は​「速く​出すための​暫定版」で、​資料が​そろうに​つれて、​数字が​書き直されます。

要点

GDPなどの​数字は、​速報の​あとに​年次推計などで​改定されます。​同じ期の​数字でも、​公表の​時期で​違うことが​あります。

確認問題

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指標と​相場の​説明を知る

資料は、​金利や​景気と​株価の​関係を、​傾向と​して​説明しています。

日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)は、​株価を​動かす要因と​して、​金利、​為替、​景気、​海外市場などの​外部要因を​挙げています。​景気に​ついては、​好景気は​会社の​活動を​活性化させて​収益を​ふやし、​不景気に​なれば​会社の​活動は​鈍化すると​説明しています。

日本銀行(出典「金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか? : 日本銀行 Bank of Japan」を別のタブで開きます)は、​金融政策に​よる​金利の​低下が​経済活動に​与える​影響を、​一般に​次のように​考えられていると​説明しています。​金利が​下がると、​企業が​資金を​調達しやすくなり、​経済​活動が​活発に​なって、​景気を​上向かせる​方向に​作用します。​金利が​上昇すると、​経済​活動が​抑制される​方向に​作用します。​景気を​上向かせる​ために​行われる​金融政策は、​金融緩和政策と​呼ばれます。

日本証券業協会は、​金融緩和政策と​株価に​ついて、​金利が​低下すると​株価が​上昇しやすい​傾向が​あると​説明しています。​そのうえで、​これは​あくまで​傾向で、​実際には​企業ごとの​業績や​国際情勢、​天候・​自然災害などさまざまな​要因に​よっても​株価は​変動すると​注意しています。

このレッスンで扱わないこと

ここで​紹介したのは、​資料が​一般的な​関係と​して​説明している​内容です。​指標の​数字から​株価や​為替の​動きを​予想する​読み方は、​ここでは​示しません。​説明が​当ては​まらない​場合も​あり、​将来も​同じ関係に​なるとは​限りません。

やさしく​言うと、​金利や​景気は​株価と​関係が​あると​説明され​ていますが、​いつも​決まった​動きを​するわけでは​ありません。

要点

資料は、​金利や​景気と​株価の​関係を​傾向と​して​説明しています。​ほかの​要因にも​左右され、​将来も​同じとは​限りません。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 経済指標は、​景気や​物価などを​数字で​表した​統計で、​GDPは​内閣府、​消費者物価指数と​完全失業率は​総務省統計局、​政策金利は​日本銀行が​関わります。
  • GDPは、​国内で​一定期間に​生産された​モノや​サービスの​付加価値の​合計で、​物価の​影響を​取り除いた​実質値で​見ることが​多いと​説明され​ています。
  • 前年同月比は​前年の​同じ月との​比較、​前期比は​直前の​期との​比較で、​季節変動を​取り除いた​数値を​季節調整値と​いいます。
  • GDPなどの​数字は、​1次速報の​あと、​2次速報や​年次推計で​改定されます。
  • 資料は、​金利や​景気と​株価の​関係を​傾向と​して​説明しています。​指標から​相場を​予想する​方法は、​ここでは​示しません。

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出典と最終確認日

本文で​機関や​資料の​名前を​挙げている​説明は、​その出典に​よる​ものです。​名前を​挙げていない​説明は、​このサイトが​まとめた​ものです。

このレッスンの​事実は 2026年10月12日 に​確認しました。

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