公的年金の​基本を知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 国民年金と​厚生年金保険の​2階建ての​つくりと、​第1号〜第3号被保険者の​ちが​いを​説明できる
  • 老齢・障害・遺族の​3種類の​年金と、​受け取り始める​年齢の​決まりを​説明できる
  • 2025年の​年金制度改正で、​決まった​ことと、​施行の​時期を​説明できる

先に読むとよいレッスン:家計を​見える化する

目次

2階建ての​しくみを知る

公的年金は、​全員が​入る​国民年金を​土台に、​会社員・公務員は​厚生年金保険にも​入る​2階建てです。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

日本年金機構(出典「公的年金制度の種類と加入する制度」を別のタブで開きます)は、​日本の​公的年金制度を、​20歳以上​60歳未満の​すべての人が​加入する​(基礎年金)と、​会社員・公務員が​加入するの、​2階建て​構造と​説明しています。​会社員・公務員は、​この二つの​制度に​加入します。

厚生年金保険の​対象は、​厚生年金保険に​加入している​会社や​官公庁などに、​常時​使用される​70歳未満の​人です。​日本年金機構は、​国籍や​性別、​年金を​受け取っているかどうかに​かかわらず、​被保険者に​なると​説明しています。​かつて​公務員や​私立学校教職員が​加入していた​共済年金は、​制度の​一元化に​より、​厚生年金保険に​加入する​形に​なっています。

金融経済教育推進機構​(J-FLEC)(出典「より豊かなセカンドライフのために 私的年金について知ろう!」を別のタブで開きます)は、​日本の​年金制度を​「3階建て」とも​説明しています。​1階​(国民年金)と​2階​(厚生年金)が​公的年金で、​その上に​任意で​積み上げる​3階部分がです。​私的年金の​ひとつ、​iDeCoは、​「iDeCoの​基本を​知る」で​扱います。

やさしく​言うと、​1階は​みんなが​入る​年金、​2階は​会社員・公務員が​上乗せして​入る​年金で、​そのさらに​上に、​任意で​入る​私的年金が​あります。

要点

公的年金は、​20歳以上​60歳未満の​全員が​入る​国民年金と、​会社員・公務員が​加わる​厚生年金保険の​2階建てです。

3つの​被保険者を知る

国民年金には、​職業などで​決まる​3つの​種別が​あり、​保険料の​納め方が​違います。

日本年金機構(出典「公的年金制度の種類と加入する制度」を別のタブで開きます)は、​国民年金のを、​職業などに​よる​3つの​種別に​分けて​説明しています。​種別ごとに、​加入の​届け出と​保険料の​納め方が​違います。

国民年金の​3つの​種別​(日本年金機構の説明⁠)

種別対象保険料の納め方
第1号被保険者農業者・​自営業者・学生・​無職の人など納付書や​口座振替などで、​自分で納める
第2号被保険者会社員・公務員など勤め先を​通じて​納める​(給料から天引き⁠)
第3号被保険者国内に​住み、​第2号被保険者に​扶養されている配偶者自己負担はない

第1号被保険者は​住んでいる​市​(区)​役所または​町村役場に、​第2号被保険者は​勤め先を​通じて​事業主が、​第3号被保険者は​第2号被保険者の​勤め先を​経由して、​それぞれ届け出ます。​第3号被保険者の​保険料は、​第2号被保険者が​加入する​制度が​負担すると、​日本年金機構は​説明しています。

やさしく​言うと、​自営業や​学生などは​自分で​納める​第1号、​会社員・公務員は​勤め先経由の​第2号、​その扶養される​配偶者は​自己負担の​ない​第3号、と​いう​分け方です。

要点

第1号は​自分で​納め、​第2号は​勤め先を​通じて​納め、​第3号は​自己負担が​ありません。

確認問題

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

保険料の​納め方を知る

国民年金保険料は​2026年度に​月額17,920円で、​納付期限は​納付対象月の​翌月末日です。

日本年金機構(この節の出典の一覧へ)は、​国民年金保険料を​1か​月あたり17,920円​(令和8年度、​2026年4月から​2027年3月まで​)と​しています。​日本年金機構に​よると、​毎年度の​実際の​保険料額は、​平成16年の​制度改正で​決まった​額を​物価や​賃金の​伸びに​合わせて​調整して​決まります。​各年度の​金額は、​日本年金機構の​ページで​確かめられます。​納付期限は​納付対象月の​翌月末日で、​納付方法には、​納付書、​口座振替、​クレジットカード、​スマートフォンアプリなどが​あり、​いずれの​方法でも​手数料は​かかりません。

保険料を​納めるのが​経済的に​難しい​ときは、​免除や​納付猶予の​制度、​学生納付特例の​制度が​あります。​日本年金機構は、​納付期限までに​保険料が​納付されないと、​障害基礎年金や​遺族基礎年金を​受け取れない​場合が​あると​注意しています。

会社員・公務員の​厚生年金保険の​保険料は、​勤め先を​通じて​納め、​給料から​天​引きされます。​日本年金機構に​よると、​厚生年金保険の​保険料率は、​2017年9月を​最後に​引き上げが​終わり、​18.3%で​固定され​ています。​実際の​保険料額は、​日本年金機構の​厚生年金保険料額表で​確かめられます。

やさしく​言うと、​自営業や​学生などは​月額の​保険料を​自分で​納め、​会社員・公務員は​給料から​天引きで​納めます。​納めるのが​難しい​ときは、​免除や​猶予の​制度を​使えます。

要点

納付期限は​翌月末日です。​納めるのが​難しい​ときは、​免除や​納付猶予の​制度が​あります。

3種類の​年金を知る

公的年金には、​老齢・障害・遺族の​3種類が​あり、​それぞれ基礎年金と​厚生年金が​あります。

日本年金機構(この節の出典の一覧へ)は、​年金の​受け取りに​関する​制度を、、、に​分けて​案内しています。​それぞれに、​国民年金から​支給される​基礎年金と、​厚生年金保険から​支給される​厚生年金が​あります。

3種類の​年金の​あらまし​(日本年金機構の説明⁠)

種類基礎年金厚生年金
老齢年金受給資格期間が​10年以上​あれば、​6⁠5⁠歳から厚生年金の​加入期間が​あれば、​基礎年金に上乗せ
障害年金初診日​(初めて​診療を​受けた​日)に​国民年金に​加入していた場合など初診日に​厚生年金に​加入していた場合
遺族年金亡くなった​人に​生計を​維持されていた、​子の​ある配偶者または子亡くなった​人に​生計を​維持されていた遺族

障害年金は、​病気やけがで​生活や​仕事などが​制限されるようになった​ときに、​現役世代の​人も​含めて​受け取れる​年金です。​障害基礎年金は​障害等級1級・​2級が​対象で、​障害厚生年金は​3級も​あります。​障害年金には​保険料の​納付状況などの​条件が​あり、​遺族年金にも、​亡くなった​人の​年金の​納付状況や、​受け取る​人の​年齢などの​条件が​あると、​日本年金機構は​説明しています。

やさしく​言うと、​公的年金は​老後の​ためだけではなく、​病気やけがで​働きに​くくなった​ときや、​家計を​支えていた​人が​亡くなった​ときにも、​条件を​満たせば​支給される​年金です。

要点

公的年金には​老齢・障害・遺族の​3種類が​あり、​障害年金と​遺族年金には、​保険料の​納付状況などの​条件が​あります。

65歳からの​受け取りを知る

老齢基礎年金は、​受給資格期間が​10年以上​あれば、​原則と​して​65歳から​受け取れます。

日本年金機構(この節の出典の一覧へ)は、​老齢基礎年金に​ついて、​保険料を​納めた​期間と​免除された​期間などを​合わせたが​10年以上​ある場合に、​原則と​して​65歳から​受け取れると​説明しています。​老齢厚生年金は、​老齢基礎年金を​受け取れる​人に​厚生年金の​加入期間が​あるとき、​老齢基礎年金に​上乗せして​65歳から​受け取れます。

老齢基礎年金の​額は、​20歳から​60歳に​なるまでの​40年間の​保険料を​すべて​納めると​満額に​なり、​納めた​月数などに​応じて​計算されます。​日本年金機構は、​2026年4月​分からの​満額を、​年額847,300円​(昭和3​1年4月2日以後​生まれの​人)と​しています。​老齢厚生年金の​額は、​厚生年金に​加入していた​ときの​報酬額や、​加入期間などに​応じて​計算されます。

老齢厚生年金を​受け取りながら​厚生年金保険に​加入して​働いていると、​年金の​月額と​賃金​(賞与を​含む)に​応じて、​年金の​一部または​全部が​支給されなくなる​場合が​あると、​日本年金機構は​案内しています。​この仕組みを、​在職老齢年金と​いいます。

やさしく​言うと、​国民年金の​保険料を​40年間すべて​納めた​場合の​年額が、​満額の​目安です。​納めた​月数が​少ないと、​その分、​額は​少なくなります。

要点

老齢基礎年金は、​受給資格期間が​10年以上​あれば​原則65歳から​受け取れ、​40年間すべて​納めると​満額に​なります。

繰上げと​繰下げを知る

受け取り始める​時期は、​60歳から​75歳の​間で​選べます。​変わった​年金額が​一生​続きます。

日本年金機構(この節の出典の一覧へ)に​よると、​60歳から​65歳に​なるまでの​間に​受け取り始めるでは、​年金が​減額されます。​減額率は、​1か​月繰り上げる​ごとに​0.4%​(昭和3​7年4月2日以後​生まれの​人)で、​最大24%です。​減額は​一生続き、​請求の​取り消しは​できません。

66歳から​75歳までの​間に​受け取り始めるでは、​年金が​増額されます。​増額率は、​1か​月繰り下げる​ごとに​0.7%で、​最大84%です。​増額は​一生​続きます。​昭和2​7年4月1日以前​生まれの​人などは、​繰下げの​上限が​70⁠歳です。

架空の​例:65歳で​年額60万円の​人が、​5年ずらす場合

これは​架空の​数字です。​65歳から​受け取ると​年額60万円に​なる、​昭和3​7年4月2日以後​生まれの​人とします。​他の​条件は​考えません。

  1. 70歳まで​5年​(60か​月)​繰り下げると、​増額率は​0.7%×60か月で​42%です。​年額は​60万円×1.42で、​85万2,000円に​なります。
  2. 60歳まで​5年​(60か​月)​繰り上げると、​減額率は​0.4%×60か月で​24%です。​年額は​60万円×0.76で、​45万6,000円に​なります。

受け取り始める​時期に​よって​年額が​変わり、​変わった​額が​一生​続きます。

繰上げは、ほかの手続きにも影響します

日本年金機構は、​繰上げ請求を​した​日以後は、​障害年金を​請求できなくなる​場合が​あると​注意しています。​日本年金機構は、​個人の​相談を、​原則と​して​全国ど​この年金事務所でも​受け付けていると​案内しています。

要点

繰上げは​最大24%の​減額、​繰下げは​最大84%の​増額で、​どちらも​一生​続きます。

確認問題

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

2025年の​改正を知る

2025年6月に​改正法が​成立し、​施行の​時期は​項目ごとに​分かれています。

厚生労働省(この節の出典の一覧へ)は、​令和7年法律第74号​(年金制度改正法)が、​衆議院で​修正の​うえ、​2025年6月13日に​成立したと​案内しています。​公布日は、​e-Gov法令検索​(デジタル庁)(出典「厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の改正履歴」を別のタブで開きます)の​改正履歴で​2025年6月20⁠日です。

2025年改正法の​主な​項目と​施行の時期

施行の時期項目2026年1⁠0⁠月時点
2026年⁠4⁠月⁠1⁠日在職老齢年金の​基準額を、​50万円から​62万円へ​(ともに​2024年度価格)。​基準額は​毎年度、​賃金の​変動に​応じて​改定され、​2026年度は⁠6⁠5⁠万円施行済み
2027年9月⁠1⁠日から保険料の​計算に​使う​月額報酬​(標準報酬月額)の​上限を、​65万円から​75万円へ​段階的に引き上げ未施行
2027年10月⁠1⁠日から短時間労働者が​厚生年金に​入る​条件の​うち、​勤め先の​従業員数の​条件を、​2035年10月1日までに​段階的に撤廃未施行
2028年⁠4⁠月⁠1⁠日遺族厚生年金の​見直し​(18歳未満の​子の​ない​20〜50代の​配偶者は、​原則5年間の給付⁠)未施行

改正法には、​次の​規定が​あります​(厚生労働省の​概要資料)。​条件は、​次の​財政検証​(少なくとも​5年に​1度​行われる、​年金財政の​検証)で、​基礎年金と​厚生年金の、​給付を​調整する​期間の​見通しに​著しい​差異が​あり、​基礎年金の​給付水準の​低下が​見込まれる​場合です。​その場合に、​マクロ経済​スライドに​よる​調整を​同時に​終了させる​ために​必要な​法制上の​措置を、​政府が​講ずると​しています。​マクロ経済​スライドは、​年金額の​伸びを​賃金や​物価の​伸びより​抑える​仕組みです​(日本年金機構(この節の出典の一覧へ)の​説明)。​規定は​措置の​目的と​条件を​書いた​もので、​どのような​法律に​するかは​決まっていません​(この​教材の補足⁠)⁠。

やさしく​言うと、​改正の​法律は​決まっ​ていますが、​始まる​日は​項目ごとに​違い、​すでに​始まった​ものと、​これから​始まる​ものが​あります。

要点

改正法は​2025年6月13日に​成立し、​6月20日に​公布されました。​すでに​施行された​項目と、​これから​施行される​項目が​あります。

理解度チェック

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 公的年金は、​20歳以上​60歳未満の​全員が​入る​国民年金を​土台に、​会社員・公務員は​厚生年金保険にも​入る​2階建てです。
  • 国民年金の​被保険者は、​第1号​(自営業者・学生など​)、​第2号​(会社員・公務員)、​第3号​(扶養される​配偶者)の​3つに​分かれ、​保険料の​納め方が​違います。
  • 公的年金には、​老齢・障害・遺族の​3種類が​あり、​老齢基礎年金は​受給資格期間が​10年以上​あれば​原則65歳から​受け取れます。
  • 繰上げは​最大24%の​減額、​繰下げは​最大84%の​増額で、​どちらも​一生​続きます。
  • 2025年の​改正法は​2025年6月13日に​成立し、​6月20日に​公布されました。​施行の​時期は​項目ごとに​分かれています。

このレッスンに出てきた用語

このカテゴリのレッスン

次に読む

レッスン一覧へ戻る

出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。