取引の​大きさの​考え方を知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月12日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 取引の​大きさと​値動きの​割合から、​損益の​金額を​計算できる
  • 一つに​集めた​場合や、​レバレッジを​かけた​場合に、​損失の​影響が​大きくなる​ことを​説明できる
  • 余裕資金の​範囲と​いう​考え方が、​資料で​どう​説明されているかを言える

先に読むとよいレッスン:証拠金と​レバレッジを知る、余裕資金と​生活の​備えを知る、分散の​効果と​限界を知る

例の​数字は、​ことわりの​ない​限り、​説明の​ために​作った​ものです。​実際の​値動きや、​実在の​商品の​数字では​ありません。

目次

取引の​大きさと​損失額を知る

同じ値下がりでも、​取引の​大きさが​違えば、​損失の​金額は​違います。

ここでは、​1回の​取引で​売買する​金額の​合計を​「取引額」と​呼びます。​損益の​金額は、​取引額に、​値動きの​割合を​かけて​求められます。​同じ割合で​値下がりしても、​取引額が​大きい​ほど、​損失の​金額は​大きくなります。

例1:取引額を​変えて比べる

手元の​資金が​300万円の​人が、​ある資産を、​取引額60万円、​150万円、​300万円の​いずれかで​買い、​買った​資産が​20%値下がりしたとします。​手数料と​税金は​考えません。

  1. 取引額が​60万円なら、​損失は​60万円×0.2で、​12万円です。
  2. 取引額が​150万円なら​30万円、​300万円なら​60万円です。

同じ20%の​値下がりでも、​損失は​12万円、​30万円、​60万円と​違い、​手元の​資金に​対する​割合は、​4%、​10%、​20%です。​数字は​仕組みを​示すための​値で、​どれが​よいかを​示す​ものでは​ありません。

例1の​表:20%の​値下がりの​ときの損失

取引額損失の金額手元の​資金300万円に​対する割合
6⁠0⁠万円1⁠2⁠万円4%
1⁠5⁠0⁠万円3⁠0⁠万円10%
3⁠0⁠0⁠万円6⁠0⁠万円20%

下がった​分を​元に​戻すには、​下がった​割合より​大きい​割合の​値上がりが​必要です​(レッスン​「損失との​向き合い方」で​見た​とおりです)。​資金300万円の​全額で​買った​場合、​20%の​値下がりで​資金は​240万円に​なり、​戻すには​差の​60万円を​240万円で​割った​25%の​値上がりが​必要です。

やさしく​言うと、​損失の​金額は​「取引の​大きさ」​×​「下がった​割合」で​決まるので、​取引が​大きい​ほど、​同じ値下がりの​影響が​大きくなります。

要点

損益の​金額は、​取引額に​値動きの​割合を​かけて​求められます。​取引額が​大きい​ほど、​同じ値動きの​影響は​大きくなります。

確認問題

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一つに​集める​大きさを知る

資金の​多くを​一つに​集めると、​その一つの​値動きが​資金全体に​響きます。

日本証券業協会(出典「投資をするにあたっての心構えはなんですか?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)は、​大きな​成果を​狙って​1つの​金融商品に​集中投資を​行うと、​その分リスクも​大きくなると​説明しています。​分散して​投資する​考え方と、​その限界は、​レッスン​「分散の​効果と​限界を​知る」で​見ました。

アメリカの​研究者 W. Goetzmann と A. Kumar は、​2001年の​NBER(出典「Equity Portfolio Diversification」を別のタブで開きます)の​ワーキングペーパー​(学術誌の​査読を​経る​前に​公開される​論文)で、​ある大手の​証券会社の​4万を​超える​株式口座の、​1991年から​1996年の​記録を​調べています。​論文は、​調べた​投資家の​大半が​分散が​足りない​状態に​あると​報告しています。​論文の​表では、​1銘柄だけを​持つ口座は、​1991年に​約33%、​1996年に​約26%⁠でした。

論文は、​投資家が​分散の​利点を​知っているのに、​銘柄どうしの​値動きの​関係を​十分に​考えない​「素朴な」​分散にと​どまるように​見える、と​述べています。​また、​調べた​口座に​投機を​する​人が​多く​含まれている​可能性も​考えたうえで、​個別の​銘柄に​固有の​リスクの​大きさは​意外な​ほどだと​述べています。​これは、​1991〜96年の​アメリカの​1つの​証券会社の​口座に​ついての​報告で、​日本の​投資家や、​今の​状況に​当ては​まるとは​限りません。

やさしく​言うと、​過去の​ある時期の​記録では、​少ない​銘柄に​集めている​人が​多かった、と​いう​報告です。

要点

資料は、​一つに​集めると​リスクが​大きくなると​説明しています。​ある研究は、​少ない​銘柄に​集めた​口座が​多かったと​報告しています。

預けた​額を​超える​大きさを知る

レバレッジを​かけると、​取引額が​預けた​お金を​超えます。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

知る​ぽると(出典「1-3 デリバティブの特徴と利用法 ─ 1 デリバティブってなんだろう? ─ やさしいデリバティブ|知るぽると」を別のタブで開きます)​(金融広報中央委員会)は、​デリバティブ取引​(株式や​暗号資産などの​値段を​もとに​した​取引)では、​取引当初にを​払い​込むだけで​取引が​でき、​少ない​投資金額で​大きな​取引が​できる​「​効果」が​あると​説明しています。​仕組みは、​レッスン​「証拠金と​レバレッジを​知る」で​見ました。​倍率の​上限は、​商品ごとに​決まりが​あります。

例2:25万円を​預けて、​100万円分の​取引をする

証拠金25万円を​預け、​100万円分の​取引を​しました​(倍率は​4倍)。​買った​資産の​価格が​下がったとして、​ロスカットや​追加の​預託、​手数料は​考えない​ものとします。

  1. 価格が​10%下がると、​損失は​10万円で、​預けた​25万円の​40⁠%⁠です。
  2. 25%下がると​損失は​25万円で、​預けた​額と​同じです。
  3. 40%下がると​損失は​40万円で、​預けた​額を​15万円超えます。

倍率が​4倍なら、​価格の​下がった​割合の​4倍の​割合で、​預けた​額が​減ります。​暗号資産の​証拠金取引では、​ロスカットが​行われても​預けた​額を​上回る​損失に​なることが​あると、​レッスン​「証拠金と​レバレッジを​知る」で​見ました。

例2の図。証拠金25万円を預けて100万円分の取引をした場合の損失額の棒グラフ。価格が10パーセント下がると損失は10万円、25パーセント下がると25万円、40パーセント下がると40万円。預けた額の25万円の高さに破線があり、40パーセント下がったときは、損失が預けた額を15万円超える。
図:例2。​破線は​預けた​額です。​どの大きさが​よいかを​示す​ものでは​ありません。

やさしく​言うと、​レバレッジを​かけると、​取引の​大きさは​手元に​預けた​お金より​大きくなり、​損失の​金額も​それに​合わせて​大きくなります。

要点

レバレッジを​かけると、​取引額が​預けた​額を​超え、​損失も​取引額に​応じて​大きくなります。​預けた​額を​超える​損失に​なる​場合も​あります。

確認問題

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余裕資金の​範囲を知る

資料は、​投資は​当面使う​予定の​ない​お金で​行うと​説明しています。

日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)は、​自分の​お金を、​①日々の​生活に​必要な​お金、​②近く​(数年の​うち)​使う​道が​決まっている​お金、​③当面使う​予定の​ない​お金、​の​3つに​整理し、​①と​②の​お金で​投資すると、​今の​生活や​将来の​予定に​影響が​出る​可能性が​あるため、​投資は​③で​行うと​説明しています。​ここでは​③をと​呼びます。​整理の​仕方は、​レッスン​「余裕資金と​生活の​備えを​知る」で​見ました。

同協会は、​投資を​続ける​ための​「3つの​余裕」と​して、​心の​余裕、​時間の​余裕、​資金の​余裕​(余裕資金で)を​挙げています。​時間の​余裕は、​中・長期投資が​基本である​ことを​指し、​もし失敗しても、​やり直せる​余裕を​作って​おくことが​大切だと​しています。​協会の​説明は、​投資に​使う​お金の​範囲に​ついての​もので、​1回の​取引の​大きさには​触れていません。​取引の​大きさが​この範囲に​収まるか​どうかは、​人ごとの​事情で​違います。

やさしく​言うと、​資料が​説明しているのは、​生活や​近い​予定に​使う​お金と、​投資に​使う​お金を​分けると​いう​考え方です。

要点

日本証券業協会は、​投資は​当面使う​予定の​ない​お金で​行うと​説明しています。

このレッスンで​扱わない​ことを知る

取引の​大きさの​目安の​数値は、​ここでは​示しません。

1回の​取引に​いくらまで​使うか、​資金の​何割までに​するか、と​いった​目安の​数値や、​すすめる​取引の​大きさは、​ここでは​示しません。​日本証券業協会(出典「リスク許容度|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)は、​(どの​程度リスクを​引き受けられるか)は​一人​ひとりの​事情に​よって​異なると​説明しています。​取引の​大きさは、​収入や​資産額、​予定する​お金の​使い道などに​よって、​人ごとに​違います。

資料によって考え方が違い、限界もあります

取引の​大きさの​考え方は、​資料や​立場に​よって​違い、​決まった​正解が​あるわけでは​ありません。​一つに​集めた​場合の​研究は、​過去の​一つの​標本の​報告で、​将来も​同じに​なるとは​限りません。​分散しても​損失が​なくなるわけではなく、​レバレッジの​倍率や​証拠金の​決まりは、​商品や​事業者に​よって​違います。​どれくらいの​大きさに​するかは、​ご自身が​判断する​ものです。

個別の​状況に​合わせた​相談先と​して、​金融経済教育推進機構​(J-FLEC)(出典「専門家に相談したい | 金融経済教育推進機構 J-FLEC」を別のタブで開きます)は​「J-FLECはじめての​マネープラン」の​無料体験を​案内しています。​J-FLECは、​この無料体験で​提供される​情報は​相談員個人の​意見に​基づき、​個別の​金融商品・サービスに​ついて​提案・推奨する​ことは​できないと​注意しています。

やさしく​言うと、​「いくらまで」の​答えは、​ここでは​出しません。​仕組みを​知ったうえで、​判断は​ご自身で​行う​ものです。

要点

取引の​大きさの​目安の​数値は​示しません。​考え方は​資料に​よって​違い、​判断は​ご自身で​行う​ものです。

理解度チェック

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 損益の​金額は、​取引額に​値動きの​割合を​かけて​求められ、​取引額が​大きい​ほど、​同じ値動きの​影響は​大きくなります。
  • 資料は、​一つに​集めると​リスクが​大きくなると​説明しています。​ある研究は、​少ない​銘柄に​集めた​口座が​多かったと​報告しています。
  • レバレッジを​かけると、​取引額が​預けた​額を​超え、​預けた​額を​超える​損失に​なる​場合も​あります。
  • 日本証券業協会は、​投資は​当面使う​予定の​ない​お金で​行うと​説明しています。​取引の​大きさの​目安の​数値は、​ここでは​示しません。

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出典と最終確認日

本文で​機関や​資料の​名前を​挙げている​説明は、​その出典に​よる​ものです。​名前を​挙げていない​説明は、​このサイトが​まとめた​ものです。

このレッスンの​事実は 2026年10月12日 に​確認しました。

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