余裕資金と​生活の​備えを知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 投資に​回す​お金を、​生活費や​近く​使う​予定の​お金、​万一の​備えと​分けて​考える​見方を​説明できる
  • 万一の​備えの​目安が、​資料や​読み手に​よって​違う​ことを​説明できる
  • 架空の​例で、​備えと​予定の​お金を​取り分けた​あとの​残りを​計算できる

先に読むとよいレッスン:損失との​向き合い方、家計を​見える化する

目次

投資に​回す前に、​お金を分ける

お金は​目的と​使う​時期で​分けると、​投資を​考えられる​範囲が​見えてきます。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

J-FLEC(出典「将来のために、どうお金を貯めて、増やす? 「貯める」と「増やす」のバランスが大事! | 金融経済教育推進機構 J-FLEC」を別のタブで開きます)の​コラム​(2025年6月11日掲載。​J-FLEC認定​アドバイザーが​執筆)は、​お金を​目的で​三つに​分け、​それぞれに​適した​商品の​例を​挙げています。​下の​表の​とおりです。

お金の​目的と、​適している​商品の​例​(J-FLECのコラム⁠)

お金の目的適している例
日々の​暮らしに​必要な​お金(食費や​光熱費、​衣類など⁠)貯蓄​(普通預金⁠)
近い​将来の​目的の​ために​貯める​お金(海外旅行や​車購入など⁠)貯蓄​(定期預金⁠)
将来に​向けて​増やすお金​(15年後の​住宅購入や​老後資金など⁠)投資​(投資信託⁠)

日本証券業協会(出典「資産運用とは?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)も、​お金を​三つに​整理し、​投資は​「当面使う​予定の​ない​お金」で​行うと​説明しています​(レッスン​「損失との​向き合い方」で​扱いました)。​この教材では、​この「当面使う​予定の​ない​お金」をと​呼びます。​知る​ぽると​(金融広報中央委員会)(出典「Ⅲ より豊かで安心できる生活のために ─ 大人のための お金と生活の知恵|知るぽると」を別のタブで開きます)の​アーカイブサイトに​ある大人向けの​資料も、​お金の​運用は、​必要な​貯蓄を​確保し、​心の​ゆとりを​保てるように​したうえで、​「当面は​使う​予定の​ない​お金」で​行うことが​望まれると​しています。

やさしく​言うと、​投資に​回す​お金は、​暮らしと​近い​予定に​必要な​お金を​取り分けた​「残り」で​考える、と​いう​ことです。

要点

お金は、​目的や​使う​時期で​分けて​考えられます。​日本証券業協会は、​投資は​当面使う​予定の​ない​お金で​行うと​説明しています。

万一に​備える​お金の性格

備えの​お金は、​いつ​使うか​分からないため、​すぐ​使える​ことが​大切に​なります。

知る​ぽると(この節の出典の一覧へ)の​「金融商品なんでも​百科」は、​保有する​資金を、​準備資金、​短期資金、​中長期資金、​利殖資金の​四つに​分けています。​このうちは、​突発的な​支出への​備え、​病気・災害への​備え、​納税準備資金​(税金の​支払いに​備える​資金。​この教材の​言い​換え)に​あたり、​緊急時資金とも​呼ばれると​説明しています。​支出の​タイミングを​決めに​くいため、​現金に​したいと​思った​ときに、​簡単に​手数料なしで​現金に​できるが​重要だと​しています。

知る​ぽるとの​「初めての​1人暮らし」の​ページは、​失業や​病気で​休職した​ときなど、​万一に​使う​お金をと​呼んでいます。​当座の​生活資金を​含む​短期の​資金には、​出し入れしやすい​銀行預金が​向くとも​説明しています。​準備資金、​緊急時資金、​生活防衛資金、​緊急予備資金​(夫婦向けの​資料の​呼び名)は、​この教材の​用語集のと​近い​考え方です​(この​教材の説明⁠)⁠。

「金融商品なんでも​百科」は、​病気・災害への​備えと​して、けが​や​短期間で​退院できる​病気の​費用、​長期入院や​家族の​介護が​必要な​場合の​費用、​地震や​洪水などの​ときに​数日間​(数か​月間)​暮らしていける​資金を​挙げ、​どのくらい​あれば​一応安心かを​考えるよう促し​ています。​病気やけがは、​民間の​医療保険に​入っているか、​公的医療保険で​どの程度まかな​えるかも​確認し、​手持ち資金を​検討すると​しています。

やさしく​言うと、​万一の​備えは​「いつ​使うか​分からない​お金」なので、​必要な​ときに​すぐ​引き出せる​ことが​大切です。

要点

万一の​備えは、​突発的な​支出や​病気・災害に​使う​お金です。​いつ​使うか​分からないため、​流動性が​重要だと​説明され​ています。

備える​額の​目安は​資料ごとに違う

「何か​月分」と​いう​目安は、​読み手や​状況に​合わせて、​資料ごとに​違います。

知る​ぽると(この節の出典の一覧へ)の​資料には、​万一に​備える​額の​目安が、​読み手に​合わせていく​つも​載っています。​下の​表は、​各資料の​記述の​要点で、​いずれも​知る​ぽるとの​アーカイブサイトの​資料です。​目安や​一般的な​言い方と​して​書かれており、​法律や​制度で​決まった​基準では​ありません​(この​教材の​説明)。​作成時期は​資料ごとに​違い、​記載の​ない​ものも​あります。

知る​ぽるとの​資料に​ある、​備えの目安

資料示された目安添えられた説明
1人暮らし向け​(時期の​記載なし⁠)生活防衛資金と​して、​生活費の​3カ月⁠〜⁠1⁠年分貯める​ことを​最優先に、と​書かれている
夫婦向け​(広報誌2017⁠年春号⁠)緊急予備資金は、​生活費の半年分月25万円なら​150万円、⁠と例示
金融商品なんでも​百科​(平成27・28年用)の​失業などへの備え月間生活費の​6か​月から​1⁠年分程度雇用保険の​基本給付だけでは​十分でない、⁠と説明
大学生向け、​大人向け​(時期の​記載なし⁠)「月々の​生活に​必要な​お金」の​1〜​2⁠年分程度あくまで​目安。​状況や​性格にもよる

大人向けの​資料は、​1〜​2年分の​目安を​「病気、​失業などの​可能性を​考慮した​もの」と​説明し、​あくまで​目安で、​その人が​置かれている​状況や​性格にも​よると​しています。​大学生向けの​資料も、​慎重な​人は​もっと​必要と​考えるかもしれないと​書いています。​なお、​「金融商品なんでも​百科」の​「雇用保険の​基本給付」は、​雇用保険の​加入者が​失業した​ときに、​一定の​条件で​出る​給付の​ことです​(この​教材の​言い換え⁠)⁠。

やさしく​言うと、​「何か​月分」は​人ごとに​違う​目安で、​資料に​よって​3か​月から​2年分まで​幅が​あります。

要点

備えの​目安は、​資料に​よって​3か​月から​2年分まで​幅が​あります。​大学生向けと​大人向けの​資料は、​あくまで​目安で、​状況や​性格にも​よると​書いています。

確認問題

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備えの​多さには​両面がある

備えは、​少な​すぎても​多すぎても、​それぞれ難しさが​あります。

知る​ぽると(この節の出典の一覧へ)の​「金融商品なんでも​百科」は、​「将来は​何が​起こるかわからないから」と、​できるだけ​多くの​資金を​準備したいと​思うかもしれないが、​準備資金を​必要以上に​もつことは、​効率的な​運用の​面では​得策ではないと​説明しています。​いざと​いう​ときに​必要に​なった​金額の​過去の​実績や、​安心を​感じる​金額を​見通して​一定金額を​取って​おき、​残りは​他の​短期資金や​中長期資金に​回すほうが​効率的だと​しています。

同じ資料は、​突然の​支出で​高い​金利を​払って​お金を​借りる​ことの​ないように​する​ためにも、​準備資金を​持っておく​ことは​大切だと​しています。​突発的な​支出への​備えの​目標額を​決める​方法の​一つとして、​家計簿の​記録を​もとに、​年間で​最も​支出の​多い​月と​平均的な​月の​支出額の​差額を​算出する​方法を​挙げています。

大人向けの​資料は、​多重債務問題に​詳しい​方の​話と​して、​貯蓄が​少なく、​一時的な​つもりでの​借入れが、​多重債務の​きっかけに​なった​例が​多いと​紹介しています。​多重債務​(借入れが​重なって​返済に​困る​状態。​この教材の​補足)に​困った​ときの​相談先は、​レッスン​「損失との​向き合い方」で​扱いました。

やさしく​言うと、​備えは、​少な​すぎると​借入れに​頼る​おそれが​あり、​多すぎると​「効率的な​運用」の​面では​得策でない、と​いう​両面が​あります。

要点

準備資金は、​必要以上に​もつと​効率的な​運用の​面では​得策でないと​説明され​ています。​一方、​少ないと​借入れに​頼る​例も​あります。

近く​使う​予定の​お金を考える

数年以内に​使う​予定の​お金は、​値動きの​影響で​足りなくなる​ことがあります。

知る​ぽると(この節の出典の一覧へ)の​「金融商品なんでも​百科」は、​短期資金を、​数年以内に​起こると​予想されるなどに​備える​資金とし、​保有額が​予定していた​金額より​減ると、​予定していた​イベントが​実現できなくなると​説明しています。​例と​して、​3年後に​予定している​住宅取得の​頭金を​ハイリスクの​金融商品で​運用していて、​3年後に​大きくした​場合、​その不足分も​ローンを​組むか、​取得を​あきらめる​ことが​あり得ると​しています。​そのため、​短期資金はを​重視して​選ぶ​必要が​あると​しています。

大人向けの​資料も、​「2年後の​子の​進学に​あてる​お金」を​運用に​回して​減らした​場合、​進学と​いう​目的を​実現できなくなる​可能性が​高まる​ことに​注意する​よう​述べています。​同じ資料は、​ローンや​クレジットが​ある場合、​それを​返済すれば、​その借入金利で​運用した​ことと​同じだと​説明しています。​お金を​運用する​前に、​まず​借入金の​返済を​検討する​よう​呼びかけ​ています。

やさしく​言うと、​近く​使う​予定の​お金は、​値下がりして​足りなくなると​困るので、​置き場所を​慎重に​考える、と​いう​ことです。

要点

数年以内に​使う​予定の​お金は、​安全性を​重視して​選ぶ​必要が​あると​説明され​ています。​借入れが​ある場合は、​返済の​検討も​呼びかけられ​ています。

確認問題

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余裕資金の​候補を整理する

備えと​予定の​お金を​取り分けた​残りが、​余裕資金の​候補です。​事情が​変われば​見直せます。

金融庁(出典「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」を別のタブで開きます)は、​家計管理の​基本と​して、​収入と​支出を​把握・管理する​こと、​収支を​黒字に​する​こと、​黒字分を​貯蓄する​ことを​挙げています。​給料日に​一定額を​自動で​貯蓄用口座に​移すなど、​先に​貯蓄に​回し、​残りで​やりくりする​方法も​おすすめだと​述べています。

架空の​例:預貯金600万円から、​取り分けた​あとの残り

これは​架空の​数字です。​毎月の​生活費は​20万円、​預貯金は​合計600万円、​3年後に​住宅の​頭金200万円を​使う​予定で、​借入れは​ないとします。

  1. 万一の​備えを、​表の​目安の​一つの​生活費の​半年分と​すると、​20万円×6か月で​120万円です。
  2. 3年後に​使う​頭金の​200万円は、​近く​使う​お金と​して​取り分けます。
  3. 600万円−120万円−200万円で、​280万円が​残ります。
  4. 備えを​3か​月分​(60万円)に​すると​残りは​340万円、​1年分​(240万円)に​すると​160万円で、​目安の​取り方に​よって​残りが​変わります。

残りの​280万円が、​余裕資金の​候補です。​ただし、​投資に​回す額を​示す​ものでは​ありません。

必要な​額は、​ライフプランや​家族の​事情が​変わると​変わります。​個別の​事情に​合わせた​相談先と​して、​J-FLEC(出典「専門家に相談したい | 金融経済教育推進機構 J-FLEC」を別のタブで開きます)は​「J-FLECはじめての​マネープラン」の​無料体験を​案内しています。​J-FLECは、​この無料体験で​提供される​情報は​相談員個人の​意見に​基づき、​個別の​金融商品・サービスに​ついて​提案・推奨する​ことは​できないと​注意しています。

やさしく​言うと、​投資を​考えられる​範囲は、​備えと​予定の​お金を​先に​決めてから、​残りで​考えられます。

要点

備えと​近く​使う​予定の​お金を​取り分けた​残りが、​余裕資金の​候補です。​備えの​目安の​取り方で、​残りの​額は​変わります。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • お金は、​目的や​使う​時期で​分けて​考えられます。​日本証券業協会は、​投資は​当面使う​予定の​ない​お金で​行うと​説明しています。
  • 万一の​備えは、​いつ​使うか​分からない​お金です。​知る​ぽるとの​資料は、​流動性が​重要だと​説明しています。
  • 備えの​目安は、​知る​ぽるとの​資料でも​3か​月から​2年分まで​幅が​あり、​いずれも​目安や​一般的な​言い方です。
  • 準備資金は、​少ないと​借入れに​頼る​おそれが​あり、​必要以上に​もつと​効率的な​運用の​面では​得策でないと​説明され​ています。
  • 近く​使う​予定の​お金は、​値動きの​影響で​足りなくなる​ことがあります。​備えと​予定の​お金を​取り分けた​残りが、​余裕資金の​候補です。

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出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。