投資信託の​費用を​長期で見る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 投資信託に​かかる​主な​費用と、​それぞれが​かかる​時期を​説明できる
  • 信託報酬が、​持っている​間ずっと​差し引かれる​費用である​ことを​説明できる
  • 費用の​小さな​差が、​長い​期間で​積み重なる​ことを、​架空の​例で​確かめられる

先に読むとよいレッスン:株式・債券・投資信託を比べる、スプレッドと​手数料を知る

目次

投資信託の​費用の​種類を知る

費用は、​買う​とき、​持っている間、​売る​ときの​場面ごとに​かかります。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

資産運用業協会(出典「投資信託のコスト|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、を​購入する​とき、​投資家は​販売会社に​「」を​支払い、​運用期間中は​信託財産から​間接的に​「運用管理費用​()」が​差し引かれると​説明しています。​さらに​信託財産からは、​監査報酬​(監査法人などの​監査に​かかる​費用)​や​売買委託手数料​(投資信託が​株式などを​売買する​ときの​費用)などが​差し引かれ、​換金時に​「」が​かかる​ファンドも​あると​しています。

日本証券業協会(出典「投資信託購入に係る手数料などの費用は?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)は、​投資信託の​購入と​保有には​大きく​2種類の​費用が​あると​しています。​購入時の​購入時手数料と、​解約時の​信託財産留保額は​直接負担する​費用です。​毎日​かかる​信託報酬や​監査報酬と、​投資信託が​株式などを​売買する​ときの​売買委託手数料は、​運用期間中に​間接的に​負担する​費用です。​別に​税金も​かかると​しています。

投資信託の​主な​費用​(資産運用業協会と​日本証券業協会の​説明を​もとに​した整理⁠)

費用かかる時期負担の形
購入時手数料購入時直接支払う
信託報酬保有中信託財産から間接的に
監査報酬保有中信託財産から間接的に
売買委託手数料​(投信の​中の売買⁠)株式などの売買時信託財産から間接的に
信託財産留保額換金時​(商品に​よっては​購入時にも⁠)直接支払う

やさしく​言うと、​投資信託の​費用は​「買う​とき」​「持っている間」​「売る​とき」に​かかります。​持っている​間の​費用は、​財産から​差し引かれる​形で​負担します。

要点

投資信託の​費用は、​購入時、​保有中、​換金時に​かかります。​保有中の​費用は、​信託財産から​間接的に​差し引かれます。

買う​ときと​売る​ときの​費用を知る

購入時手数料は​販売会社に​払う​費用で、​ない​商品も​あります。

日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)は、​購入時手数料を、​投資信託の​購入代金とは​別に​販売会社に​支払う​費用と​説明しています。​通常は​申込価格の​数%で、​購入代金の​中に​含まれる​「内枠制」と、​別途支払う​「外枠制」の​2種類が​あります。​購入時手数料が​かからない​投資信託は、と​呼ばれます。

架空の​例:購入時手数料が​3万円の場合

これは​架空の​数字です。​購入時手数料が​3万円かかる​投資信託を、​100万円分​買うとします。

  1. 内枠制では、​購入代金100万円の​中に​手数料3万円が​含まれるので、​投資に​回るのは​97万円です。
  2. 外枠制では、​100万円分の​購入の​ほかに、​手数料3万円を​別に​支払います。​合計の​支払いは​103万円です。

どちらの​形でも、​購入した​時点で​手数料の​分だけ負担が​あります​(この​教材の計算⁠)⁠。

換金時の​信託財産留保額に​ついて、​日本証券業協会は、​換金時に​負担する​費用で、​商品に​よって​差し引かれる​ものと、​差し引かれない​ものが​あると​説明しています。​資産運用業協会(出典「投資信託のコスト|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​投資信託を​購入または​解約する​際に、​手数料とは​別に​徴収される​費用で、​販売会社が​受け取るのではなく、​信託財産に​留保されると​しています。​つまり、​換金時だけでなく、​購入時に​かかると​書かれている​場合も​あります。​J-FLEC(この節の出典の一覧へ)の​大学連携講座の​資料​(2026年6月版)は、​費用の​水準の​目安と​して、​購入時手数料を​購入額に​対し0%〜3.5%程度​(販売会社に​よって​異なる)、​信託財産留保額を​解約額に​対し0.2〜0.3%程度​(商品に​よって​異なる)と​示しています。

やさしく​言うと、​買う​ときの​手数料は​販売会社へ、​売る​ときの​留保額は​財産の​ほうに​残る​費用で、​どちらも​商品に​よってない​場合が​あります。

要点

購入時手数料は、​購入時に​販売会社へ​支払う​費用で、​ない​商品​(ノーロード)も​あります。​信託財産留保額は、​換金時​(商品に​よっては​購入時にも)に​かかる​費用です。

確認問題

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持っている​間の​信託報酬を知る

信託報酬は、​持っている間、​運用の​結果に​かかわらず差し引かれます。

日本証券業協会(出典「信託報酬|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)の​用語集は、​信託報酬を、​投資信託の​運用・管理などに​かかる​費用で、​信託財産の​中から​運用会社、​信託銀行、​販売会社に​対して​支払われる​ものと​説明しています。​投資信託に​よって​異なりますが、​運用実績に​かかわらず、​純資産総額に​対して​所定の​金額が​差し引かれると​しています。

資産運用業協会(出典「投資信託のコスト|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​信託報酬を、​投資信託を​保有している間、​保有額に​応じて​日々​支払う​費用と​説明し、​年率で​いくら支払うのかがなどに​記載されていると​しています。​日本証券業協会は、​詳しい​内容が、​目論見書や​運用報告書​(運用の​結果を​報告する​書類。​この教材の​言い​換え)の​「費用」の​項目に​書かれていると​説明しています。​J-FLEC(この節の出典の一覧へ)の​大学連携講座の​資料​(2026年6月版)は、​費用の​水準の​目安と​して、​信託報酬を​年率0.2〜3.0%程度​(商品に​よって​異なる)と​示しています。

投資信託に​投資する​投資信託​(ファンドオブファンズ)では、​投資先の​投資信託が​徴収する​信託報酬も​間接的に​支払っています。​資産運用業協会は、​その多くが、​投資先の​分も​含めた​「実質的な​信託報酬率」を​目論見書に​記載していると​しています。​売買委託手数料は​運用の​結果と​して​発生する​費用で、​事前に​いくらかかるか示すことは​できないとも​述べています。

やさしく​言うと、​信託報酬は​「持っている​限り、​毎日​少し​ずつ、​財産から​引かれる​費用⁠」⁠です。

要点

信託報酬は、​保有している間、​運用実績に​かかわらず、​純資産総額に​応じて​日々​差し引かれる​費用です。

小さな​差の​積み重なりを知る

毎年の​費用の​差は​小さくても、​長い​期間では​差が​大きくなります。

J-FLEC(この節の出典の一覧へ) は、を、​利子にもまた​利子が​つく​ことと​説明し、​長い​期間で​みると​効果が​非常に​大きいと​しています。​金融庁(出典「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト:金融庁」を別のタブで開きます)も、​長い​期間投資を​続けると​複利の​効果が​大きくなると​説明しています。​費用は、​この増えていく​土台から​毎年差し引かれます​(この​教材の補足⁠)⁠。

架空の​例:信託報酬が​年0.2%と​年1.0⁠%⁠の場合

これは​架空の​数字です。​100万円を​一度に​投資し、​費用を​引く​前は​毎年4%ずつ​増えると​仮定します。​4%は​計算の​ための​数字で、​見込みでは​ありません。​信託報酬は、​Aが​年0.2%、​Bが​年1.0%で、​その分だけ​毎年の​増え方が​小さくなる​ものとします。​ほかの​費用や​税金は​考えません。

  1. 費用を​引いた​あとの​毎年の​増え方は、​Aが​3.8%、​Bが​3.0⁠%⁠です。
  2. 10年後は、​Aが​約145万円、​Bが​約134万円で、​差は​約11万円です。
  3. 20年後は、​Aが​約211万円、​Bが​約181万円で、​差は​約30万円です。

毎年の​費用の​差は​0.8ポイントですが、​期間が​長くなる​ほど、​差は​大きくなりました​(この​教材の計算⁠)⁠。

架空の​例:100万円を​投資した​あとの金額

期間A​(年0⁠.⁠2⁠%⁠)B​(年1⁠.⁠0⁠%⁠)
1⁠0⁠年後約1⁠4⁠5⁠万円約1⁠3⁠4⁠万円
2⁠0⁠年後約2⁠1⁠1⁠万円約1⁠8⁠1⁠万円

実際の​運用成果は、​毎年​同じ割合にはならず、​上がる​年も​下がる​年も​あります。​この例は、​費用の​差が​積み重なる​様子だけを​見る​ための​単純化です​(この​教材の​補足)。​例の​年0.2%と​年1.0%は、​J-FLECの​資料が​示す信託報酬の​年率の​範囲に​入ります​(この​教材の比較⁠)⁠。

要点

毎年の​費用の​差が​小さくても、​長い​期間では​金額の​差が​大きくなります。​実際の​運用成果は、​年ごとに​上下します。

確認問題

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費用を​確かめる​場所を知る

費用は、​目論見書や​運用報告書などに​書かれています。

資産運用業協会(出典「投資信託のコスト|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​投資家が​投資信託を​取引する​上で、​いくらコストが​発生するのかを​知ることは、​とても​重要だと​述べています。​どのような​費用を​負担するかは、​目論見書などで​確認できると​しています。

費用の​確かめ先​(資産運用業協会と​日本証券業協会の​説明を​もとに​した整理⁠)

知りたいこと載っている場所
負担する​費用の種類と額目論見書など
信託報酬の年率目論見書など
費用の​詳しい内容目論見書や​運用報告書の​「費用⁠」⁠の項目

投資信託の​費用に​ある売買委託手数料は、​投資信託の​中で​株式などを​売買する​ときの​費用です。​投資家が​株式を​売買する​ときの​手数料は​別で、​日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)は、​株式を​買う​ときも​売る​ときも​売買委託手数料が​かかり、​その額や​口座管理料は​証券会社に​よって​異なると​説明しています。​値段の​開きなどの​コストは、​レッスン​「スプレッドと​手数料を​知る」で​扱いました。

費用だけでは決まりません

日本証券業協会は、​投資信託を​選ぶには​「投資対象が​何か」​「どんな​方法で​運用するか」を​考える​必要が​あると​しています。​費用は、​その中の​一つの​見方です​(この​教材の補足⁠)⁠。

要点

費用の​種類や​信託報酬の​年率は、​目論見書などで​確かめられます。​費用は、​投資信託を​見る​ときの​一つの​見方です。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 投資信託の​費用は、​購入時の​購入時手数料、​保有中の​信託報酬、​換金時​(購入時の​場合も​ある)の​信託財産留保額などが​あります。
  • 購入時手数料が​かからない​投資信託は、​ノーロードと​呼ばれます。
  • 信託報酬は、​持っている間、​運用実績に​かかわらず、​純資産総額に​応じて​日々​差し引かれます。
  • 毎年の​費用の​差が​小さくても、​長い​期間では​金額の​差が​大きくなります​(架空の例⁠)⁠。
  • 費用の​種類や​信託報酬の​年率は、​目論見書や​運用報告書などで​確かめられます。

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出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。