暗号資産の​種類を整理する

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約10分
  • 最終確認日 2026年10月12日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • アルトコイン、​コイン、​トークンなどの​呼び名の​意味と、​資料に​よって​違いが​あることを​説明できる
  • 日本の​法令上の​三つの​区分​(暗号資産、​電子決済手段、​電子記録移転権利)の​違いを知る
  • 交換業者が​取り扱う​暗号資産の​決め方と、​改正法で​加わる​区分の​名前を知る

先に読むとよいレッスン:暗号資産とは何か、ブロックチェーンの​仕組みを知る、交換業者と​利用者を​守る決まり

例の​数字は、​ことわりの​ない​限り、​説明の​ために​作った​ものです。​実際の​値動きや、​実在の​商品の​数字では​ありません。

目次

アルトコインと​いう​呼び名を知る

ビットコイン​以外の​暗号資産を、​まとめて​アルトコインと​呼ぶことが​あります。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

交換業者の​解説(この節の出典の一覧へ)や​証券会社の​用語集(この節の出典の一覧へ)には、​「」が​載っています。​多くは​「代替の​コイン」を​略した​言葉で、​ビットコイン​以外の​暗号資産の​総称と​説明しています。​ただし、​範囲の​説明は​一致しません。​証券会社の​用語集には、​ビットコインの​後に​登場した​ものの​総称と​する​ものが​あり、​交換業者の​解説には、​ビットコインの​基盤技術を​参考に​して​作られた​ものを​指すと​する​ものが​あります。

ある交換業者の​解説は、​イーサリアムは​広い​意味では​アルトコインに​あたるが、​一定の​地位を​築き、​機能面の​違いも​あるため、​分けて​語られる​ことも​多いと​述べています。​また、​お金と​して​使われる​ことを​目的とした​ものだけを​指すのかは、​まだ​定まっていないと​しています。​アルトコインは、​資金決済に​関する​法律や​金融商品取引法の​条文に​出てくる​言葉では​ありません​(2026年10月時点⁠)⁠。

やさしく​言うと、​アルトコインは​「ビットコイン​以外」を​指す通称で、​どこまでを​含めるかは​資料に​よって​違います。

要点

アルトコインは、​ビットコイン​以外の​暗号資産を​指す通称です。​含める​範囲は​資料に​よって​違い、​法令上の​区分では​ありません。

コインと​トークンの​違いを知る

コインと​トークンの​使い分けは​資料に​よって​違い、​決まった​定義は​ありません。

交換業者の​解説(この節の出典の一覧へ)は、と​いう​言葉には​明確な​定義が​ないとしたうえで、​暗号資産業界では​一般に、​既存の​ブロックチェーンを​利用して​発行された​暗号資産を​トークンと​呼ぶと​説明しています。​この解説は、​トークンには​発行者や​管理者が​いる​点が、​他の​暗号資産との​大きな​違いだとも​述べています。

資料に​見られる​二つの​使い方​(交換業者の​解説と​証券会社の​用語集を​もとに作成⁠)

使い方トークンと呼ぶ範囲
狭い使い方既存の​ブロックチェーンを​利用して​発行された​暗号資産だけ
広い使い方ブロックチェーン​上で​発行される​デジタル​資産全般で、​ビットコインのような​ものも含む

別の​交換業者の​解説は、​暗号資産と​トークンが、​同義と​して​扱われる​場面と、​区別される​場面に​分かれると​説明しています。​また、​同じ性質の​トークンでも、​使われ方に​よって​法的な​区分が​異なる​場合が​あると​注意しています。

やさしく​言うと、​「コイン」と​「トークン」の​線引きは​資料ごとに​違い、​言葉だけでは​種類は​決まりません。

要点

トークンは、​既存の​ブロックチェーン​上に​作られた​暗号資産を​指す​使い方と、​デジタル資産を​広く​指す​使い方が​あります。

確認問題

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機能に​よる​呼び名を知る

使われ方に​注目して、​ユーティリティ、​ガバナンスなどと​呼び分ける​ことがあります。

金融庁(出典「金融審議会 暗号資産制度に関するワーキング・グループ 報告(2025年12月10日)」を別のタブで開きます)の​審議会の​ワーキング・グループの​報告​(2025年12月10日)は、​暗号資産は、​中央集権的な​管理者の​有無や、​プロジェクトに​関連した​「ユーティリティ」の​有無などに​応じて、​種類や​性質が​多様だと​述べています。​交換業者の​解説(この節の出典の一覧へ)では、​これに​近い​呼び名と​して、、、が​挙げられ​ています。

機能に​よる​呼び名​(交換業者の​解説を​もとに作成⁠)

呼び名一般に​言われる意味解説にある注意
ユーティリティ特定の​サービスの​利用の​対価や、​利用券のように使われるサービスが​動く​前は、​価値の​裏付けを​判断しにくい
ガバナンスプロジェクトの​運営の​投票権や​議決権の​役割をもつ株式の​議決権に​似た​性質で、​保有量が​多い​ほど​影響が大きい
セキュリティ有価証券を​デジタル​化したようなもの様々な​法令を​守る​必要がある

呼び名は優劣や将来性を示しません

呼び名は、​使われ方を​整理する​言葉で、​重なることも​あります。​どの種類が​優れているか、​将来どうなるかを​示す​ものではなく、​法令上の​区分と​一致するとも​限りません。

やさしく​言うと、​ユーティリティは​「サービスを​使う券」、​ガバナンスは​「運営の​投票権」、​セキュリティは​「有価証券の​トークン版」と​呼ばれます。

要点

機能に​よる​呼び名には、​ユーティリティ、​ガバナンス、​セキュリティなどが​あります。​優劣を​示す分類では​ありません。

日本の​法令上の​区分を知る

日本の​法令は、​電子的に​移転できる​価値を、​内容に​よって​別の​区分に​分けています。

資金決済に​関する​法律は、を、​代価の​弁済に​不特定の​者へ​使え、​不特定の​者を​相手に​売買も​できる​財産的価値で、​ネットワークで​移転できる​もの、​およびそれと​相互に​交換できる​ものと​定めています​(2026年10月時点)。​円などの​通貨、、​電子決済手段は​除かれます。

は、​同じ法律が、​通貨建資産の​うち、​代価の​弁済に​使え、​売買も​できる​ものなどと​定めています。​金融商品取引法は、​有価証券と​みな​される​一定の​権利が、​ネットワークで​移転できる​電子的な​価値に​表示される​ものを、と​呼んでいます。

日本の​法令上の​三つの​区分​(2026年10月時点。​法令の​定義を​もとに作成⁠)

区分何を表すか根拠の法律
暗号資産通貨建てではない、​支払いにも​売買にも​使える価値資金決済に​関する法律
電子決済手段円などの​通貨建てで、​支払いにも​売買にも​使える​電子的な価値資金決済に​関する法律
電子記録移転権利有価証券と​みな​される​権利を、​移転できる​形に​表示したもの金融商品取引法

やさしく​言うと、​「通貨建てか」​「権利を​表しているか」で、​暗号資産、​電子決済手段、​電子記録移転権利に​分かれます。

要点

日本の​法令は、​暗号資産、​電子決済手段、​電子記録移転権利などを​区別しています。​区分は、​通貨建てか、​どんな​権利を​表すかで​決まります。

有価証券の​トークンと⁠N⁠F⁠T

トークンの​形を​とる​権利は、​内容に​よって​有価証券に​なることが​あります。

金融庁(この節の出典の一覧へ)は、​収益の​分配などを​受けられる、​いわゆる​セキュリティトークンは、​有価証券と​して、​すでに​金融商品取引法の​規制対象だと​整理しています。​一方、​いわゆる​NFT​(非代替性​トークン)には、​資金決済に​関する​法律上の​暗号資産に​該当しない​ものが​あると、​金融審議会の​ワーキング・グループの​報告は​述べています。​NFTと、​DeFi​(分散型金融)は、​ここでは​名前の​紹介に​と​どめます。

例1:​三つの​電子的な​価値を​分けて考える

簡略に​した​当てはめです。​Aは、​1単位に​つき1円で​払い戻すと​定められ、​支払いにも​売買にも​使えます。​Bは、​通貨建てではなく、​不特定の​相手と​売買できます。​Cは、​事業の​収益の​分配を​受ける​権利を、​移転できる​形に​表した​ものです。

  1. Aは、​円で​払戻しが​定められているので、​電子決済手段に​あたりえます。
  2. Bは、​通貨建てではないので、​暗号資産の​定義に​近い​ものです。
  3. Cは、​収益の​分配を​受ける​権利を​表すので、​電子記録移転権利に​あたりえます。

同じ電子的な​価値でも、​通貨建てか、​どんな​権利を​表すかで​区分が​分かれます。​実際の​当てはめは、​条文と​金融庁の​判断に​よります。

やさしく​言うと、​同じ「トークン」の​形でも、​何を​表すかで、​扱いが​分かれます。

要点

セキュリティトークンは​有価証券と​して​扱われます。​NFTには、​暗号資産に​該当しない​ものが​あります。

改正法で​加わる​区分を知る

令和8年法律第64号は​公布済みで、​主な​規定は​2026年10月時点で​未施行です。

「金融商品取引法及び資金決済に​関する​法律の​一部を​改正する​法律」​(令和8年法律第64号)は、​2026年7月23日にされました。​暗号資産に​関する​主な​規定は、​公布の​日から​起算して​1年を​超えない​範囲内で、で​定める​日にされます。​ここからは、​施行前の​条文に​よります。

施行前の​金融商品取引法には、​「暗号資産」の​定義が​置かれています。​定義は、​資金決済に​関する​法律の​ものと​同じ二つの​号から​成ります。​さらに、​暗号資産の​うち、​特定の​者のみが​発行する​権限を​もつ​もの​(​これに​類する​ものとして​内閣府令で​定める​ものを​含む)をとし、​その募集や​売出しなどを、​金融商品取引業の​行為に​加えています。​税の​法律にも​「特定暗号資産」と​いう​区分が​ありますが、​定義は​別です​(​「暗号資産と​税金の​基本を​知る」の​レッスンで​扱っています⁠)⁠。

金融審議会の​ワーキング・グループの​報告は、​発行や​移転の​権限、​仕様を​決める​権限を​もつ主体が​いる​暗号資産を​「中央集権型暗号資産」とし、​判断の​目安を​挙げています。​ただし報告は​提言で、​法律​そのものでは​ありません。

やさしく​言うと、​改正法が​施行されると、​暗号資産の​中でも​「発行できる​人が​決まっている​もの」が、​特定暗号資産と​いう​名前で​区別されます。

要点

施行前の​金融商品取引法には、​暗号資産の​定義と、​特定の​者のみが​発行する​権限を​もつ​「特定暗号資産」の​区分が​あります。

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取り扱う​暗号資産の​決まりを知る

交換業者が​取り扱う​暗号資産は、​業者の​審査と、​協会への​事前の​届出を​経て​決まります。

資金決済に​関する​法律は、​登録の​申請書に​「取り扱う​暗号資産の​名称」を​書くよう​求め、​これを​変更する​ときは、​あらかじめ届け出るよう​求めています​(一定の​場合を​除く)。​内閣府令は、​暗号資産の​交換等を​行う​前に、​取り扱う​暗号資産の​概要と​特性などを​利用者に​説明する​よう​定めています​(2026年10月時点⁠)⁠。

日本暗号資産等取引業協会(出典「暗号資産の取扱いに関する規則・ガイドライン」を別のタブで開きます)の​「暗号資産の​取扱いに​関する​規則」は、​会員の​交換業者に、​取扱暗号資産の​審査に​関する​社内規則を​定めるよう​求めています。​審査項目には、​発行状況、​取引状況、​技術、​対象​プロジェクトに​関する​事項などが​あり、​新たに​取り扱う​ときは、​審査報告書などを​協会へ​事前に​届け出ます。​協会が​異議を​述べた​ときは、​会員は​異議に​従わずに​取扱いを​始めては​なりません。​一定の​会員や​暗号資産には、​協会の​事前審査を​省く​制度も​あります。

同じ規則は、​移転・保有記録の​更新に​重大な​支障が​認められる​暗号資産などは、​取り​扱っては​ならないと​定めています。​開始後も、​リスクの​検証と、​概要説明書の​更新と​公表を​求めています。

取り扱いがあることは、価値の保証ではありません

金融庁の​暗号資産交換業者登録一覧​(2026年9月1日時点)は、​事業者が​取り扱う​暗号資産に​ついて、​事業者の​説明に​基づき、​資金決済法上の​定義に​該当する​ことを​確認した​ものに​すぎないと​書いています。​金融庁・財務局(出典「暗号資産交換業者登録一覧(令和8年9月1日現在)」を別のタブで開きます)が、​その価値を​保証したり、​推奨したりする​ものでは​ありません。

要点

交換業者が​取り扱う​暗号資産は、​業者の​審査と​協会への​届出を​経て​決まります。​一覧に​載っていても、​価値が​保証されるわけでは​ありません。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • アルトコインは、​ビットコイン​以外の​暗号資産を​指す通称です。​コインと​トークンの​呼び分けも​資料に​よって​違い、​決まった​定義は​ありません。
  • ユーティリティ、​ガバナンス、​セキュリティなどの​呼び名は、​使われ方を​整理する​言葉で、​優劣や​将来性を​示す​ものでは​ありません。
  • 2026年10月時点の​日本の​法令は、​暗号資産、​電子決済手段、​電子記録移転権利などを​区別しています。​区分は、​通貨建てか、​どんな​権利を​表すかで​決まります。
  • 令和8年法律第64号は​公布済みで、​施行前の​金融商品取引法には、​特定の​者のみが​発行する​権限を​もつ​「特定暗号資産」の​区分が​あります。​主な​規定は​未施行です。
  • 交換業者が​取り扱う​暗号資産は、​業者の​審査と​協会への​届出を​経て​決まりますが、​取り扱いが​あることは​価値の​保証では​ありません。

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出典と最終確認日

本文で​機関や​資料の​名前を​挙げている​説明は、​その出典に​よる​ものです。​名前を​挙げていない​説明は、​このサイトが​まとめた​ものです。

このレッスンの​事実は 2026年10月12日 に​確認しました。

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